帝国の構造

帝国の構造

柄谷行人さんの「帝国の構造」を読んでみました。
柄谷さんはある時期から交換様式論というアイデアに取りつかれてしまい、そればかりやっています。
80年代のスター思想家が晩年にこういう仕事をするようになるとは、誰が想像できたでしょうか。
しかし、国際的には評価されており、例えばスラヴォイ・ジジェクが本のタイトルに用いたりもしています。
とはいえ、繰り返しが多すぎるというのが気掛かりです。
どの本も交換様式論の説明を長々と行っています。
もちろん、新しいことは言われています。
「世界史の構造」は「世界共和国へ」がつまらなかったので、ほとんど期待していなかったのですが、その期待はいい意味で裏切られました。
新しいアイデアが次々と投入されていることはたしかです。
「世界史の構造」以後はその補遺のような仕事が続くわけですが、「哲学の起源」「遊動論」「帝国の構造」とさすがに三冊もそういう仕事が続くと、飽きてきます。

 

しかし、アイデアマンであることはたしかで、従来の考えをさくっと覆していくというのも、いつも通りです。
今まで読んできた人は、読み続けるほかないのでしょう。